鶴岡地区税務関係団体協議会
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更新日
相談事項 Q
2020.2.10
令和2年分以降の所得税の申告について見直しがされたそうですが、その内容について教えてください。
2019.1.29
2019年10月1日から消費税率が10%に引き上げられ、軽減税率制度が導入されると聞いていますが、概要を教えてください。また、消費税の免税業者にも関係があるそうですが、どういうことでしょうか?
2017.11.17
マイカー通勤の従業員に対する通勤費は、消費税では、どのように取り扱われますか?
2017.11.17
本年10月に十数年前に購入した土地を売りました。しかし、買った時の土地の金額を証明する資料がありません。このような場合、譲渡所得はどうやって計算するのでしょうか?
2016.11.29
平成28年分の年末調整からマイナンバーを記入しなければならないと聞いておりますが、従来と何が違うのでしょうか?
2016.11.29
前年度の売上が1,000万円を超えたので、来年度から課税事業者になります。今までは税込経理方式で経理していましたが、税抜経理方式と税込処理方式で有利、不利はあるのでしょうか?
2015.12.25
実質2千円の負担で特産品を貰えると話題の、ふるさと納税の仕組みについて教えてください。
2014.10.28
平成27年から相続税が改正になり、今まで相続税の対象にならなかった人も対象になると聞きました。どのような内容なのでしょうか。
2014.10.28
平成27年から贈与税の税率が改正になると聞きましたが、どのように改正になるのでしょうか。
2013.10.16
妻が今年からパートで働いています。収入がいくらまでなら、私の扶養に入ることができますか。
2013.10.16
私は、専業主婦で、夫の扶養になっています。先日、ネット証券に口座を開設して株取引を始めました。確定申告をしなければならないでしょうか。
2013.10.16
脱サラして個人で商売を始めようと思います。商売を始めると事業税がかかると聞きました。所得税の申告の他に事業税の申告も必要になりますか。
2012.11.1
私は結婚はしていませんが子供がおります。子供がいる場合には寡婦控除が受けられると聞きましたが、私も受けられるでしょうか教えてください。
2012.11.1
私の父は、障害者手帳を受けていませんが介護保険法の要介護認定4を受けています。障害者控除を受けられると思いますがいかがでしょうか教えてください。
2011.11.1
今年において、手術の為入院した際に知人より見舞金を頂いたのですが、所得税の医療費控除の申告においてはどう取り扱うべきか教えてください。
2011.11.1
店舗を建設し、事業を開始したのですが、店舗の建築費用は取得価額に含めなくてはいけないとは思うのですが、その他の取得に関連した費用についての取り扱いを教えてください。
2011.11.1
昨年まで、小学生及び中学生の子供を給与所得において扶養親族としていましたが、扶養控除制度が改正されたと聞いたのですがどう変わったのか教えてください。
2010.11.5
車庫を兼ねた倉庫(見積額1,100万円)の建設を予定しています。長男名義にしたいのですが、息子には貯えがありません。そこで建設資金を援助したいのですが、贈与税がかからない制度があると聞きました。その制度について教えてください。
2010.11.5
現在個人で事業を営んでいます。同じく事業を営んでいる知人が近く法人化することを聞きました。法人化にすると何が違うのでしょうか。また法人化することについての留意点等を教えてください。

※更新日においてのQ&Aとなりますので、現時点で変更事項があるかをご確認ください。

相談事項

令和2年分以降の所得税の申告について見直しがされたそうですが、その内容について教えてください。

回答

個人の方の所得税について、次の3つの改正がされています。

  1. 1.青色申告特別控除が変わります。(現行65万円⇒改正後55万円)
  2. 2.基礎控除額が変わります。(現行38万円⇒改正後48万円)
  3. 3.「現行の65万円の青色申告特別控除」の適用要件に加えて、e-Tax(注1)による申告(電子申告)又は電子帳簿保存(注2)を行うと、引き続き65万円の青色申告特別控除が受けられます。

(注1)e-Taxとは、申告などの国税に関する各種の手続きについて、インターネットを利用して電子的に手続きを行えるシステムです。

(注2)電子帳簿保存とは、一定の要件の下で帳簿を電子データのまま保存できる制度です。この制度の適用を受けるには、帳簿の備え付けを開始する日の3か月前の日までに申請書を税務署に提出する必要があります。原則として課税期間の途中から適用することはできません。令和2年分に限っては、令和2年9月30日までに承認申請書を提出し、同年中に証人を受けて、同年12月31日までの間に、仕訳帳及び総勘定元帳の電磁的記録による備え付け及び保存を行うことで、65万円控除を受けることができます。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 小島英理子 先生
相談事項

2019年10月1日から消費税率が10%に引き上げられ、軽減税率制度が導入されると聞いていますが、概要を教えてください。また、消費税の免税業者にも関係があるそうですが、どういうことでしょうか?

回答

軽減税率とは

標準税率より低く抑えられた税率のことです。2019年10月1日から、消費税率が10%に引き上げられる予定になっており、この10%が標準税率となるので、それより低い税率のことを言い、消費税の軽減税率は8%です。以下の項目について概略を説明します。それぞれ自分の事業所が、今後必要と思われる事項を確認し、対処されるといいのではないでしょうか。

Ⅰ.軽減税率が事業者に及ぼす影響

軽減税率は全ての事業者に関係があります。

1.消費税の課税業者の方
  1. 課税売上、課税仕入とも軽減税率対象品目の確認をして経理処理をする必要性があります。
  2. 価格をあらかじめ表示する場合は、税込価格を表示すること(総額表示)が義務付けられています。同一の飲食料品の販売につき摘要される消費税率が異なる場合が想定されます。
2.消費税の免税業者の方
課税業者と取引をする場合、区分記載請求書等の交付を求められたときに対応できるようにしておく必要があります。

Ⅱ.軽減税率の対象品目

1.飲食料品(酒類・外食を除く)
2.週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)

Ⅲ.帳簿及び請求書等の記載と保存

1.帳簿への記載事項…現行の四つに加え⑤が増える

    現行

  1. 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
  2. 取引年月日
  3. 取引の内容
  4. 取引の額
  5. 平成31年10月1日から平成35年9月30日まで、上記に加え

  6. 軽減税率の対象品目である旨
2.請求書等への記載事項…現行の五つに加え⑥⑦が増える

    現行

  1. 請求書発行者の氏名又は名称
  2. 取引年月日
  3. 取引の内容
  4. 対価の額
  5. 請求書受領者の氏名又は名称(不特定多数の者と取引する事業者は省略できる)
  6. 平成31年10月1日から平成35年9月30日まで、上記に加え

  7. 軽減税率の対象品目である旨
  8. 税率ごとに合計した税込み対価の額

Ⅳ.消費税額の計算と税額計算の特例

1.売上税額から仕入税額を控除するといった消費税額の計算方法は現行と変わりません。

《税額計算のイメージ》
売上税額=(標準税率対象税込売上額×10/110)+(軽減税率対象税込売上額×8/108)
仕入税額=(標準税率対象税込仕入額×10/110)+(軽減税率対象税込仕入額×8/108)

2.中小企業の方の税額計算の特例

中小企業者とは、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者をいい、売上税額、仕入税額の計算の特例が設けられています。

【売上税額の計算の特例】

  1. 小売等軽減仕入割合
  2. 軽減売上割合
  3. ①・②の割合が困難な中小企業者

【仕入税額の計算の特例】

  1. 小売等軽減売上割合
  2. 簡易課税制度の届け出の特例

Ⅴ.適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)導入について

平成35年10月1日以降は、「適格請求書」等の保存が仕入税額控除の要件となります。

1.適格請求書とは
「売手が、買手に対し性格な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類をいいます。
2.適格請求書発行事業者登録制度が設けられます。
適格請求書を交付できるのは、適格請求書発行事業者に限られます。免税業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、課税事業者となる必要があります。
3.免税業者からの課税仕入れ
適格請求書保存方式の導入後は、免税事業者や消費者など、適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る消費税額を控除することができなくなります。
(一定の要件のもと経過措置が設けられています。)

※国税庁のH・P 軽減税率制度で検索してみてください。わかりやすいリーフレットも掲載されていて、随時更新されていています。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 小島 英理子 先生
相談事項

マイカー通勤の従業員に対する通勤費は、消費税では、どのように取り扱われますか?

回答

所得税では、車や自転車などの交通用具を使用して通勤している場合には、片道の通勤距離に応じて下図の様に非課税限度額が定められています。

鉄道やバスなどの交通機関を利用する場合には、従業員経由で会社が交通費を支払っているわけですから、その全額を課税仕入高に計上することには納得がいきます。しかし、車通勤の場合には、通勤に必要なガソリン代等の概算額を通勤手当として支給するということであり、交通機関を利用する場合とは本質的に異なるようにも思えますが、非課税限度額の金額であれば、『通勤に通常必要な金額』と考えられますので、実務上は、これを課税仕入高として処理してよいこととされているようです。

所得税の非課税限度額
自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当
平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当について適用
区分 課税されない金額
通勤距離が片道2㎞未満 0円
通勤距離が片道2㎞以上10㎞未満 4,200円
通勤距離が片道10㎞以上15㎞未満 7,100円
通勤距離が片道15㎞以上25㎞未満 12,900円


回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 佐藤 博 先生
相談事項

本年10月に十数年前に購入した土地を売りました。しかし、買った時の土地の金額を証明する資料がありません。このような場合、譲渡所得はどうやって計算するのでしょうか?

回答

譲渡所得の金額は総収入金額から、その譲渡の基因となった資産の取得費とその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除した金額となります。

相続や贈与等により取得した土地建物等の取得価額が不明な場合、又、実際の取得費が譲渡収入金額の5%に満たない場合など適用できる計算方法を、概算取得費控除と言います。本問の場合には、実際の取得額が分かる資料がないということですから、この概算取得費控除を適用するしかありませんが、控除できる金額が低くなるため、所得税・住民税が多額に課税されますので、何とか実額を調べることをお勧めします。また、一部の資産(土地に含まれる土石、借地権、漁業権等)は、原価性が認められない資産のため、概算取得費控除を適用することが出来ませんので、ご注意ください。

通常の場合には、実際の購入価格の方が概算額より多いと考えられるため、実額を立証することをお勧めします。固定資産税評価額、相続税評価額、公示価格を参考、全部事項証明書の情報(売却者、抵当権等)を参考、借入金により購入した場合には借入に関する書類、通帳からの支払と思われる金額を調べる(銀行から取引記録が取れないか)等の方法を駆使して何とか実際額に近い数値を認めてもらいましょう。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 佐藤 博 先生
相談事項

平成28年分の年末調整からマイナンバーを記入しなければならないと聞いておりますが、従来と何が違うのでしょうか?

回答
1 変更点を含む年末調整の大まかな流れについて

まず、従業員は「扶養控除等申告書」に自分と扶養家族分のマイナンバーを書いて、「保険料控除申告書」、「配偶者特別控除申告書」、「住宅借入金等特別申告書(住宅ローンをお持ちの方のみ)」とともに会社などに年末調整の書類を渡します。

書類に基づいて事務担当者が年末調整を行います。まず、年間の所得税過不足を精算して12月給与などで調整する必要があります。そして、「給与支払報告書」にそれぞれのマイナンバーを記載して、税務署及び市町村などへ提出します。

すべての処理が終わったら、安全性が高い場所で、法定の保存期限に従って、提出された書類を管理・保存します。

2 従業員は「扶養控除等申告書」だけにマイナンバーを記入します

従業員が会社などに提出する年末調整の申告書類のうち、マイナンバーを書くのは「扶養控除等申告書」だけです。

さて、「扶養控除等申告書」に記入するのは従業員本人と控除対象配偶者、扶養家族のマイナンバーです。扶養家族等の番号について、間違いがないかどうかの確認は従業員本人が行います。会社では従業員分のみの、番号が正しいかどうかをチェックします。

※「扶養控除等申告書」はマイナンバー記載が原則ですが、給与支払者などがマイナンバーの帳簿を作成して備えていれば、記載不要となります(詳細は、税務署等にご確認下さい)。

3 マイナンバーの確認方法について

事務担当者などが行うマイナンバーが間違っていないことの確認は、原則として、

  1. マイナンバーカード(写真とICチップ付きのプラスチックのカード)の提示
  2. マイナンバー通知カード(氏名とマイナンバーが記された紙のカード)と運転免許証やパスポートなどの本人確認書類の提示
のいずれかです。その際、双方合意の上で書類に写しを添付することもあるかと思いますが、重要な個人情報であるマイナンバーの取扱には、処理後の保管や廃棄を含めて十分な注意が必要です。

4 「給与所得の源泉徴収票」の様式は大きく変わります
  • 用紙サイズが従来のA6からA5と2倍になりました
  • 税務署提出分にマイナンバーと法人番号の記載欄が追加されました

※従業員に渡す分の源泉徴収票にはマイナンバーは記載不要です。

5 扶養控除申告書の保管と廃棄
「扶養控除等申告書」と付随するマイナンバー帳簿の保存期間は、「提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間」と決められています。繰り返しになりますが、記載されたマイナンバーは個人情報ですので、保管や廃棄の方法には十分に注意しましょう。
回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 長谷川 泰規 先生
相談事項

前年度の売上が1,000万円を超えたので、来年度から課税事業者になります。今までは税込経理方式で経理していましたが、税抜経理方式と税込処理方式で有利、不利はあるのでしょうか?

回答

税抜経理方式・税込経理方式とは

日々の仕訳をするにあたり、消費税をどう処理するかで2つに分かれます。

  • 【税抜経理方式】…本体価格と消費税を別にして処理をする方法。
  • 【税込経理方式】…本体価格と消費税を合算して処理する方法。
税込経理方式のメリット

経理処理を考えると、税込経理方式のほうが楽です。税抜経理方式は、消費税分を分けて仕訳しなくてはなりません。しかし、会計ソフトを使えば自動的に税額を計算してくれるため、税込経理方式のメリットはあまり大きくないかもしれません。

税抜経理方式のメリット
(1)固定資産の減価償却の特例判定に有利

購入した固定資産のうち、次に該当するものは購入年度に全額を損金(経費)として処理することができます。この判定を行う際に税抜経理方式は有利にはたらきます。

例:税抜価額298,000円(消費税23,840円)のエアコンを購入した場合
①税抜経理方式の場合
取得価額298,000円のため、取得した事業年度の損金に計上できる。
②税込経理方式の場合
取得価額321,840円(298,000円+23,840円)のため、取得した事業年度の損金に計上できない(固定資産に計上して、耐用年数に応じて減価償却費として損金計上します)。
固定資産の減価償却の特例
①少額減価償却資産
10万円未満で購入したものは、取得した事業年度の損金に計上できます。
②中小企業等の少額減価償却資産
30万円未満で購入したものも、取得した事業年度の損金に計上できます(合計300万円限度)。ただし、中小事業者(資本金1億円以下の中小法人と個人事業主)に限る。法人・個人ともに青色申告が条件です。

20万円未満で購入したものについては、中小事業者の方は【少額減価償却資産】として全額を損金(経費)として計上するか、【一括償却資産】として3年間かけて均等に減価償却をするかが選べます。

(2)接待交際費を計算する際におトク(法人の場合)

資本金1億円未満の法人は年間800万円までの接待交際費を損金(経費)として処理することができます。この金額を計算するときも、税抜経費方式を採用していると税抜金額が適応されます。

(3)建設業は税抜経理方式を

建設業の方で、許可を得たり公共工事に入札したりする場合、官公庁に申請書類を出すことになります。その際、添付する損益計算書は税抜経理方式のものが求められます。税務署などに税込経理方式で作成した損益計算書を提出した場合、作成しなおす必要があるので注意しましょう。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 長谷川 泰規 先生
相談事項

実質2千円の負担で特産品を貰えると話題の、ふるさと納税の仕組みについて教えてください。

回答

ふるさと納税制度は平成20年から始まりました。
ふるさと『納税』となっていますが、“寄附金”として扱います。

ふるさと納税(都道府県・市町村に対する寄付金)のうち2,000円を超える額が、次の通り所得税・住民税から全額が控除されます(一定の上限があります)。

①所得税
(ふるさと納税額-2,000円)を所得控除(所得控除額×所得税率が軽減)
②住民税(基本分)
(ふるさと納税額-2,000円)×10%を税額控除
③住民税(特例分)
(ふるさと納税額-2,000円)のうち①、②の控除後の残額を控除(平成27年から住民税所得割額の20%を限度)

住民税の所得割額は、住民税の年額より均等割額の6,000円を差し引いた金額になります。所得税はふるさと納税を行った年分に、住民税はその翌年度分より控除されます。

手続方法は、都道府県・市町村からふるさと納税をした際に送られてくる『寄付金の受領書』で所得税の確定申告を行うことになります。

ただし、確定申告の必要のない給与所得者等について、平成27年4月1日以降のふるさと納税に関して、寄付先が5団体以内の場合は確定申告が不要の、ワンストップ特例制度ができました。

平成27年より上記③の限度額が倍の20%になりましたが、限度額を超えてふるさと納税をした場合は、超えた額の控除は受けられません。

ここ数年、地域の活性化にとお礼品を出す自治体が増え、牛肉・お米・お酒等の特産品を、ふるさと納税額の半額程度のお礼品としているところが多いようです。平成27年からお礼品を始めた鶴岡市では、ふるさと納税額が2億円に達するとのことです。自身の住民税を他の自治体に移動する結果となり、自治体はチャンスにもピンチにもなります。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 佐藤 清一 先生
相談事項

平成27年から相続税が改正になり、今まで相続税の対象にならなかった人も対象になると聞きました。どのような内容なのでしょうか。

回答

平成27年1月1日以後相続が発生した場合、遺産から控除できる基礎控除額が従来の6割に減ります。

例えば相続人が3人の場合、従来では、遺産額が8,000万円を超える方だけが相続税の申告義務がありましたが、改正後は4,800万円を超えれば、相続税の申告をしなければならなくなりました。

相続人の数 従来の
基礎控除額
改正後の
基礎控除額
差 額
2人 7,000万円 4,200万円 2,800万円
3人 8,000万円 4,800万円 3,200万円
4人 9,000万円 5,400万円 3,600万円

基礎控除が減る分、相続税の対象額が増える

例えば、配偶者+子供2人(相続人計3人)で1億円の財産を相続した場合 平成26年12月31日以前に相続が発生した場合

1億円-(5,000万円+(1,000万円×3人)=2,000万円課税対象額

平成27年1月1日以後に相続が発生した場合

1億円-(3,000万円+(600万円×3人)=5,200万円課税対象額

課税対象額が3,200万円増加!

このように、基礎控除の減額は、今回の税制改正によって相続税がはじめて発生するようになる方に限らず、これまでも相続税が発生する状況であった方にとっても十分に影響のある内容となっています。

また、相続税率も次の表のように改正されます。

平成26年12月31日まで 平成27年1月1日以後
法定相続分に応じる取得金額 税率 法定相続分に応じる取得金額 税率
1,000万円以下の金額 10% 1,000万円以下の金額 10%
3,000万円以下の金額 15% 3,000万円以下の金額 15%
5,000万円以下の金額 20% 5,000万円以下の金額 20%
1億円以下の金額 30% 1億円以下の金額 30%
3億円以下の金額 40% 2億円以下の金額 40%
3億円超の金額 50% 3億円以下の金額 45%
    6億円以下の金額 50%
    6億円超の金額 55%
回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 長谷川 泰規 先生
相談事項

平成27年から贈与税の税率が改正になると聞きましたが、どのように改正になるのでしょうか。

回答

最高税率が55%へ引き上げになり、3,000万円超(基礎控除後)の贈与で税負担があがります。ただし、税率区分が増えるため600万円超1,500万円以下の贈与については減税となります。

2015年以降は、20歳以上の子や孫が親、祖父母から贈与を受けると税率が低くなり、200万円(基礎控除後)を超える贈与では有利になります。 また、配偶者や未成年者への贈与では、一般贈与の税率を使うこととなります。





■事例■
父親から500万円贈与を受けた場合
現 行:(500万円-基礎控除110万円)×20%-25万円=53万円
改正後:(500万円-110万円)×15%-10万円=48万5000円

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 長谷川 泰規 先生
相談事項

妻が今年からパートで働いています。収入がいくらまでなら、私の扶養に入ることができますか。

回答

所得税・住民税の「配偶者控除」の対象となるには、配偶者の所得金額が38万円以下であることが要件です。
パート収入は給与所得になります。

(他に所得がないと仮定して)給与所得の計算は、収入金額から給与所得控除65万円を差し引きますので、逆算すると65万円+38万円=103万円が配偶者控除を受けられるパート収入の限度額になります。

なお、あなた(夫)の所得金額が1,000万円以下であれば、配偶者のパート収入が103万円を超えて141万円未満の場合には、段階的に控除を受けられる「配偶者特別控除」が適用になります。

参考までに、「社会保険」や「扶養手当」の基準についても触れておきます。向こう1年間の収入見込みが130万円を超えると、社会保険の被扶養者にはなれません。

また、勤務先が扶養手当を支給する場合の基準は、会社が定める規定によりますので、統一した基準はありません。

よく「103万の壁」、「130万の壁」といわれますが、混同しないようにしてください。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 原田 洋 先生
相談事項

は、専業主婦で、夫の扶養になっています。先日、ネット証券に口座を開設して株取引を始めました。確定申告をしなければならないでしょうか。

回答

株式の譲渡、配当に係る税金は、上場株と非上場株で取り扱いが異なります。ご質問の場合は、証券会社を通じての上場株式等を対象にした取引になりますので、開設した口座の種類に応じて、以下のとおり取り扱ってください。

①特定口座(原泉徴収あり)
証券会社から「特定口座年間取引報告書」が送られてきます。年間の 譲渡益に対して所得税と住民税が天引きされていますので、申告不要 です。
②特定口座(原泉徴収なし)
同じく「特定口座年間取引報告書」が送られてきますが、譲渡益が生 じていれば、原則確定申告が必要です。
③一般口座
ご自分で年間の損益を計算します。証券会社に支払う手数料等も差し 引いて、譲渡益が生じていれば、原則確定申告が必要です。

なお、いずれの場合も損失が生じたときは、申告することによって3年間損失を繰り越すことができます。

気を付けなければならない点として、扶養控除や国保税の基準となる所得金額は、損失の繰越控除前の金額ですので、損失を繰り越して申告して税金が還付になっても、夫の扶養から外れてしまい、支払う方が大きかったなんてことにならないようご注意ください。

株式の譲渡、配当に係る税金の取り扱いは複雑で、要件や選択肢も多岐にわたります。取引が複数ある場合などは、税理士等の専門家に相談されることをお勧めします。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 原田 洋 先生
相談事項

脱サラして個人で商売を始めようと思います。商売を始めると事業税がかかると聞きました。所得税の申告の他に事業税の申告も必要になりますか。

回答

個人事業税は、地方税法で限定列挙されている一定の事業を行う個人に対して、事業所が所在する道府県が課す税金です。一般的には、ほとんどの事業が該当します。

まず、事業を始めたら、事業開始等の届出を庄内総合支庁の税務課に提出します。事業税の申告書は、所得税の確定申告を税務署に提出していれば、提出する必要はありません。事業税は、前年の所得を基にした以下の計算により算出されます。


事業税 = 所得税の青色申告控除前の所得金額 - 事業主控除額290万円 × 税率3~5%(事業の種類によって区分)

税額が発生する場合は、通常8月初旬に納税通知書が送付されます。
なお、支払った事業税は、事業所得の必要経費に算入することができますのでお忘れなく。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 原田 洋 先生
相談事項

私は結婚はしていませんが子供がおります。子供がいる場合には寡婦控除が受けられると聞きましたが、私も受けられるでしょうか教えてください。

回答

寡婦控除は、女性の納税者が所得税法上の寡婦に当てはまる場合に受けられる所得控除です。控除できる金額は27万円、特定の寡婦に該当する場合には35万円です。

〈寡婦の要件〉

寡婦とは、納税者本人が、原則としてその年の12月31日の現況で、次のいずれかに当てはまる人です。

(1)夫と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていない人、又は夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人又は生計を一にする子がいる人です。この場合の子は、総所得金額が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。

(2)夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人です。この場合は、扶養親族などの要件はありません。

(注)「夫」とは、民法上の婚姻関係をいいます。特定の寡婦については、説明を省略します。

ご相談の場合は、結婚していませんとのことですから、民法上の夫がおりませんので、寡婦控除を受けることはできません。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 奥山 幸憲 先生
相談事項

私の父は、障害者手帳を受けていませんが介護保険法の要介護認定4を受けています。障害者控除を受けられると思いますがいかがでしょうか教えてください。

回答

所得税法上、障害者控除の対象となる障害者は、所得税法施行令第10条に限定列挙されており、精神又は身体に障害のある65歳以上の人で、障害の程度が知的障害者に準ずるものとして、市町村長等の認定を受けている人などとされ、介護保険法の介護認定を受けた人については、規定していません。

したがって、介護保険法の要介護認定の有無にかかわらず上記の市長村長等の認定を受けた場合には、障害者控除の対象となります。

ご相談の場合、介護保険法の要介護認定を受けているだけでは、障害者控除の対象とはなりません。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 奥山 幸憲 先生
相談事項

今年において、手術の為入院した際に知人より見舞金を頂いたのですが、所得税の医療費控除の申告においてはどう取り扱うべきか教えてください。

回答

所得税における医療費控除申告では、その年中に支払った医療費の金額から保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除きます。

また、見舞金のみで贈与税の基礎控除額(110万円)を上回ることは稀であろうが、これについても社交上必要と認められる香典、祝金、見舞金などについては贈与税を課税しないと取り扱われています。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 池田 朋也 先生
相談事項

店舗を建設し、事業を開始したのですが、店舗の建築費用は取得価額に含めなくてはいけないとは思うのですが、その他の取得に関連した費用についての取り扱いを教えてください。

回答

法人税においては、減価償却資産である固定資産の取得に関連して支出するものであっても、①不動産取得税・自動車取得税②特別土地保有税のうち土地の取得に関連して課されるもの、③登録免許税等の登記又は登録のための費用、はその取得価額に算入しないことができます。

一方、所得税においては業務用と非業務用とに区別し、業務の用に供される資産に係る登録免許税や登録に要する費用、不動産取得税、事業税、自動車取得税等は、その業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入することとし、非業務用の固定資産に係る登録免許税や登録に要する費用、不動産取得税等の固定資産の取得に伴い納付する租税公課等は、その資産の取得費に算入することとしています。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 池田 朋也 先生
相談事項

昨年まで、小学生及び中学生の子供を給与所得において扶養親族としていましたが、扶養控除制度が改正されたと聞いたのですがどう変わったのか教えてください。

回答

「扶養親族」の定義は改正前と同様に、「親族で生計を一にする者のうち合計所得金額が38万円以下の者」であり、改正後における子ども手当の対象となる16歳未満の扶養親族は、控除額0円の扶養親族となります。よって、今年度においては、扶養親族ではありますが、扶養控除の金額が0円となります。

[平成23年分以後の扶養控除額]

区分 控除額
一般の控除対象扶養親族(※1) 38万円
特定扶養親族(※2) 63万円
老人扶養親族(※3) 同居老親等以外の者 48万円
同居老親等 58万円

※1「控除対象扶養親族」とは、扶養親族のうち年齢16歳以上の人をいいます。

※2 特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の人をいいます。

※3 老人扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が70歳以上の人をいいます。

(所法2、79、84、85、旧措法41の16、平22改正法附則5)
―国税庁ホームページ参照―

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 池田 朋也 先生
相談事項

車庫を兼ねた倉庫(見積額1,100万円)の建設を予定しています。長男名義にしたいのですが、息子には貯えがありません。そこで建設資金を援助したいのですが、贈与税がかからない制度があると聞きました。その制度について教えてください。

回答

贈与税は、贈与を受けた人が負担します。次のいずれかにより贈与税額を計算します。

①暦年課税制度
1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円(基礎控除額)を超えた金額に対し、一定の税率を掛けて税額を計算します。
②相続時精算課税制度
20才以上の子が、65才以上の親から財産の贈与を受けた場合には暦年課税制度に代わって相続時生産課税制度を選択することができます。

この制度を選択した場合には、2,500万円の特別控除額を超えた部分について、一律に20%の税率を掛けて贈与税を計算します。この2,500万円の枠は毎年あるのでなく相続時精算課税制度を選択した場合の特別控除の累積額です。つまり2,500万円に達するまでは何年にわたっても贈与税は掛かりません。しかも父親又は母親ごとに、暦年課税制度との選択ができます。

但し、相続時精算課税制度を選択した場合の贈与財産は、すべて贈与時の価格で相続財産に加算されます。贈与時点では税金が掛からなくても相続税が掛かる人の場合には、相続税の負担とを考慮して選択する必要があります。

また、一度相続時精算課税制度を選択した親からの贈与については、その後暦年課税制度により贈与税を計算することはできません。どちらを選択するかは税理士等専門家の意見を聞きながら慎重に行ってください。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 成田 隆 先生
相談事項

現在個人で事業を営んでいます。同じく事業を営んでいる知人が近く法人化することを聞きました。法人化にすると何が違うのでしょうか。また法人化することについての留意点等を教えてください。

回答

平成18年、会社法の施行により、最低資本金制度が廃止され、また取締役が1名からでも株式会社を設立することができるようになりました。それでは法人化について簡潔に説明します。

〈法人の設立登記〉

個人事業を法人化するには、設立の登記をしなければなりません。そのためには次の手続きが必要です。

  1. 商号、目的等を定めた定款を作成
  2. 公証人による定款の認証
  3. 出資金の払い込み

〈法人化のメリットとデメリット〉

  1. 金融機関等、対外的信用が向上します。
  2. 個人の財産と法人の資産を明確に区分でき、また経営者としての自覚が生まれます。
  3. 法人化することにより、役員報酬の支払等所得の分散が可能となり、その他にも節税効果が期待できます。
  4. 申告の際、事業が赤字の場合でも法人住民税の均等割が発生します。
  5. 社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が強制となります。
  6. 法人を設立するためには、法人の印鑑を作製し、定款の認証費用、登録免許税(株式会社の設立の場合は最低15万円)その他登記費用等の設立費用が掛かります。

〈その他留意点〉

法人の設立により、税務官庁に対して個人事業の廃止と法人設立に関連する届出が必要となります。また、法人成りに伴い個人事業で使用していた棚卸資産、備品等を法人で引き継ぐ場合には、個人事業者からすれば資産の譲渡になります。個人事業者が消費税の課税事業者である場合には課税売上に該当することに注意しなければなりません。

回答担当者 東北税理士会 鶴岡支部 成田 隆 先生
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